ゲートラダーと通常舵との、東京湾での綱引き対決??

150年以上も前に、イギリスで、外輪船とプロペラ船が綱引きをした。その時にはプロペラ船が圧倒的に勝利をし、その後プロペラ船が世界を席巻して行って、今の船があるとのこと。

それ以来、船の舵はプロペラの後ろにあるということについて、誰もが何の疑念も抱かず、当たり前のこととして船は設計され、運行されてきた。ある日、栗林定友 栗林商船会長が疑問を抱かれ、「フレームラダー(これがGate Rudder 開発のきっかけになった)」を携えて、海上技術安全研究所(NMRI)に研究を依頼されてきた。が、その時点ではまだ舵の位置はそのままで、プロペラの後ろに置かれていた。その後両者の共同研究の成果として、舵をプロペラの横に配置するというアイデアが生まれ、ここにきて、二枚の舵の間にプロペラが入っているという、常識では考えられなかった突拍子もない形の舵が生まれた。そしてついに、この舵が、山中造船所有で井本商運が運航する船「しげのぶ」に搭載された。名付けて

「ゲートラダー」(GATE RUDDER)

これまで学会で、”ダクト効果を有する非対称断面ツイン舵船型の開発”という題で発表されて来たものである。これが、開発者自身も我が目を疑うほどの省エネ効果が、実船の運行データ解析から徐々に明らかになってきている。

幸い、舵以外は全く同じ「さくら」という船も井本商運は運航していて、その2つの船の間で綱引きをしてみたらとても面白いのではないだろうか。

どこかのテレビ局か新聞社か、船の省エネに対して大いに関心のあるメディアが、海の日のイベントとして、綱引きの話にのってくれないかなあ。