ゲートラダーと通常舵との、東京湾での綱引き対決??

150年以上も前に、イギリスで、外輪船とプロペラ船が綱引きをした。その時にはプロペラ船が圧倒的に勝利をし、その後プロペラ船が世界を席巻して行って、今の船があるとのこと。

それ以来、船の舵はプロペラの後ろにあるということについて、誰もが何の疑念も抱かず、当たり前のこととして船は設計され、運行されてきた。ある日、栗林定友 栗林商船会長が疑問を抱かれ、「フレームラダー(これがGate Rudder 開発のきっかけになった)」を携えて、海上技術安全研究所(NMRI)に研究を依頼されてきた。が、その時点ではまだ舵の位置はそのままで、プロペラの後ろに置かれていた。その後両者の共同研究の成果として、舵をプロペラの横に配置するというアイデアが生まれ、ここにきて、二枚の舵の間にプロペラが入っているという、常識では考えられなかった突拍子もない形の舵が生まれた。そしてついに、この舵が、山中造船所有で井本商運が運航する船「しげのぶ」に搭載された。名付けて

「ゲートラダー」(GATE RUDDER)

これまで学会で、”ダクト効果を有する非対称断面ツイン舵船型の開発”という題で発表されて来たものである。これが、開発者自身も我が目を疑うほどの省エネ効果が、実船の運行データ解析から徐々に明らかになってきている。

幸い、舵以外は全く同じ「さくら」という船も井本商運は運航していて、その2つの船の間で綱引きをしてみたらとても面白いのではないだろうか。

どこかのテレビ局か新聞社か、船の省エネに対して大いに関心のあるメディアが、海の日のイベントとして、綱引きの話にのってくれないかなあ。

ゲートラダー搭載船(2隻目)の回流水槽試験開始

「しげのぶ」とは別のゲートラダー搭載船について、5月14日から3日間の予定で、回流水槽での試験が行われる。準備で関係者は大忙しとのこと。追加試験には帰国し立ち会う。これまでの「しげのぶ」の運行実績解析でもかなりよい結果が出ているので期待している今日この頃。

来月の大型模型試験にも再帰国予定.

先月イスタンブールでの会議で発表して来た。これで4回目のイスタンブール。そして11月にもまたイスタンブールの学会があり、発表するべくabstract を作成中。この先何回トルコの大地に足を踏み入れることになるのか??

ゲートラダー(GATE RUDDER)に関する記事が 

中造工会報誌 「 CAJS 会報 No415(2018年4月16日発行)」p15~23で、新製品・新技術紹介として掲載された。

https://drive.google.com/file/d/1E0dflsFs2qtt5rPfGGnmCO1sjxiCSQry/view

今月二度目の帰国

9日に渡英し、Glasgowに行ったり、Newcastleで大学関係の仕事をこなしたり、

そして今月2度目の帰国。

日本船舶海洋工学会での司会、そして自身のGATE RUDDER についての発表のため。

一見若そうにみえてもシニア割のきく年齢、よる年波には勝てず、時差との格闘に苦しむことこの上ない。

明日の発表に向けて、羽田空港へ、初めて利用するシニア割での搭乗トライ、果たして吉と出るか凶と出るか

Hello world!

Hello World  の第一歩として

2014年10月末 にNewcastle 大学 (イギリス)にやって来て、はや1年半。

今年度は造船会社の若手への講義と、新しいGATE  RUDDER の開発研究で

日本とイギリスをほぼ毎月往復することに。

また、先月は蒲郡にある生命の海科学館で小学生対象のワークショップの講師も務め、

子供達の将来へのひとつのきっかけとして、船が好き!!という子供が1人でも増えてくれるといいなと心密かに念じる昨今。