日刊海事通信記事より

日刊海事通信 20171221

 

かもめプロペラなど4社、新型省エネ舵の基本性能確認

18年度に実船確認試験へ


ケイセブン、山中造船、かもめプロペラ、東京計器の4社はこのほど、世界初となる新型省エネ舵「ゲートラダー」を搭載した井本商運が運航する416TEU型コンテナ船“しげのぶ”(2500総トン、船主:山中造船)の海上試運転で、この舵の基本性能を確認したことと発表した。

 『ゲートラダー』の技術開発は、ケイセブンとかもめプロペラの両社が日本財団の助成で実施している。2017年度の同技術開発事業で試作したこの新型省エネ舵は、これまでストラスクライド大学の佐々木紀幸客員教授の指導のもと、4社が水槽試験により、その省エネ性能、操縦性能に関して研究開発を継続してきた。

 従来の舵はプロペラの後ろに取り付けられていたため、推進力の抵抗となっていたが、『ゲートラダー』は、特殊形状の2枚の舵がプロペラの両隣に位置するため、舵抵抗がダクト効果により省エネに寄与する推進力に変わり、燃費が向上する。計算では『ゲートラダー』の採用により5%の省エネを目標としている。また、低速時にプロペラの水流の向きを変えてスラスターの働きをするため、高出力のバウスラスターと相まって離着岸性能が向上する。そのうえ、プロペラ後方の障害物がなくなったことで船体振動・騒音が軽減する。

 18年度は技術者を乗船させて、諸性能確認のための実運航モニタリング計測。『ゲートラダー』の操作性・制御性などの実船確認試験を行って『ゲートラダー』の制御フローを確立し、実用化をめざす予定。

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